理論は現実に従属すると気づくと疲れにくくなる

こんにちは。平穏堂院長の田上俊和です。

本日の「疲れにくくなる暮らし方」は

理論は現実に従属すると気づくと疲れにくくなる」です。

 現実は多数の要素から成り立ちます。

 多数の要素がそれぞれ相互作用を起こすため、現実は計算しきれないほど複雑です。

 その現実の取り扱いを簡便にするため、人は理論を作成します。

 理論は現実の投影です。現実を「特定要素の値を固定化する、あるいは無限小・無限大として扱う」手法などで単純化し、人の手で現実を計算し記述、再現できるようにしています。

 

 「特定要素の値を~」手法の例を挙げます。

 数学では「点」は大きさを無限小としますし、「線」はその太さを無限小としています。

 物理でも力点と力点を結ぶ「紐」の展性や弾性は「ゼロ」と定めた状態で計算します。

 (工学系では展性や弾性を考慮に入れてより現実に近づけます)

 あるいは十分に影響が及ぼされない要素を計算から除外する手法をとる場合もあります。物理であればその量子論的効果が表れるのは電子回路レベルでありますから日常の動作スケール(大きさ、速度、時間)では量子論的効果を無視して理論を立てます。

 

 かように理論は現実に従属しています。つまり、理論と現実が一致しないならばそれは現実が正しく、理論が間違っているので理論を修正するしかありません。(実験・観測のミスは論外です)

 

 理論が現実に従属するという事実を無視し、特定の状況だけを説明できる理論を立てた場合、無効な状況で理論を適用しても不適となり、失敗します。そこから回復するには気力体力が必要となるため疲れやすくなります。つまり、新しい理論を立てる場合、現実と、すでにその現実を記述している理論の両方を満足させるようにすると、類似の状況でも理論が適用できるため、疲れにくくなります。

 

従って「理論は現実に従属すると気づくと疲れにくくなる」となります。

 

次回(12/27)は、「『他者が検証できない理論は信仰に等しい』と気づくと疲れにくくなる」です。

 

以上