相手に肯定的な先入観を持ってもらうと疲れにくくなる

こんにちは。平穏堂院長の田上俊和です。

本日の「疲れにくくなる暮らし方」は

相手に肯定的な先入観を持ってもらうと疲れにくくなる」です。

人は本能的に安心安全を求めます。そのため、否定的な先入観を持っている相手に対しては、

「自分の安全を脅かすもの」と考え、攻撃的になります。攻撃されれば傷つき、疲れます。

逆に、肯定的な先入観を持っている相手に対しては、心を開きます。

心を開いた相手とは物事が障害なくすすむため、疲れにくくなります。


従って「相手に肯定的な先入観を持ってもらうと疲れにくくなる」となります。

 

次回(1/12)は、「『人は正しさでなく安全を求める』ことを知ると疲れにくくなる」です。

 

○肯定的な先入観を持ってもらう方法の例

 

  肯定的な先入観を持ってもらうには、本題に入る前に「相手に自分が安全な相手だと認識」させ、

  「相手が本題を受け取りやすい」状況を会話の中で作ることが必要です。

  端的にいえば、「1.相手を褒める」「2.世間話などで相手に「はい」と言わせることを繰り返す」

  「3.相手に決定権(拒否権)を渡す」などが手段として挙げられます。

 

  1.「相手を褒める(承認する)」…

 

    褒められる、あるいは承認される、つまり「他人から自身の価値を認められる」と、

    人は安心と安全を感じ、緊張(=防御)状態を解きます。

    緊張による心理的防壁も無くなるため、その後に続く本題を受け取りやすくなります。

    但し「何か裏があるんじゃないか」と思わせる褒め方は逆効果です。

 

  2.「世間話などで相手に「はい」と言わせることを繰り返す」…

 

    「はい」(イエス)と答えることは、心理的に「受け入れる」という意味があります。

    そのため、たくさん「はい」を言ってもらうことで、相手の心理的防壁は徐々に崩れ、

    その後に続く本題を受け取りやすくなります。

    「はい」と言ってもらうには「おうむ返し」の技法が有効です。

 

     ・「おうむ返し」は、相手のペースに合わせて会話をする必要があります。

     ・「おうむ返し」には会話の内容を一つ一つ確認しながら進められるという利点もあります。


    例:A「今日はどちらからいらっしゃったんですか?」

      B「○○です」

      A「○○からいらしたんですか」

      B「はい」

 

  3.「相手に決定権(拒否権)を渡す」…

 

     人は、自分で物事の決定権を持たない状態を「危険」と判断し、本能的に嫌います。

    逆に言えば、決定権を持った状態ならば「安全」と判断し、緊張(=防御)状態を解きます。

    (ドラマの終盤で優位に立った犯人が真相をベラベラと話してくれるイメージです)

    緊張による心理的防壁も無くなるため、その後に続く本題を受け取りやすくなります。


     例えば質問するときに「いまお時間ありますか?」(※)から始めることで、いったん相手に

    「回答する/しない」を委ねると、相手は安全を感じ、気持ちよく回答するなり、

    「いま忙しいから10分後で」などと対応してくれるでしょう。

 

     また、取引相手になにがしかの提案を行う場合、自分の一押しの提案があっても、

    ただそれを押し付けると相手は危険を感じますから、方向性を変えた複数の提案を

    用意します。

     そして提案それぞれのメリットデメリットを全て説明したうえで「該当なし」を含めた

    最終決定を相手にゆだねると、相手は安全を感じ、緊張(=防御)状態を解きます。


     (※)「いまお時間ありますか?」について。

 

       忙しくて時間が無いのが明らかな人に「いまお時間ありますか?」は逆効果です。

      まず間違いなく「見てわかんないのか!」と叱責を食らうでしょう。

      忙しすぎる人には真っ向勝負で「○○のため○時までの間に○分間時間をください」と

      口頭と文章の両方で伝えると無駄がありません。

 

       また、決定権を渡している体(てい)で実際には渡していないのも逆効果です。

      (例:「いま時間ある?あるよね?でさーあの件なんだけど」)

 

以上