同情的理解を止めると疲れにくくなる

こんにちは。平穏堂院長の田上俊和です。

本日の「疲れにくくなる暮らし方」は

同情的理解を止めると疲れにくくなる」です。

人が他人を理解する主な心構えには以下の3種類があります。


 1) 診断的理解

    ・相手から少し離れて観察

    ・相手とは直接利害関係の無い第三者的立場をとる


 2) 同情的理解

    ・相手の感情に巻き込まれる(相手の懐に飛び込む)

    ・相手と一心同体になる


 3) 共感的理解

    ・相手に寄り添う

    ・相手の立場で相手の心の動きに感情移入しながらも感情に巻き込まれることは無い

    ・距離を置いて眺めるのではなく相手と並行して自分の考え方・感じ方を展開していく。


このうち、1)は、上から目線の一方的な押し付けになりやすく、また相手を突き放す傾向があります。


3)は、3種の中でも最も困難ですが、自分と相手を対等な立場に置きますから、

「相手を押さえつける力」の継続がいらず、また「相手より自分を上に置く」ために

使うエネルギーも不要になりますから、疲れにくくなります。


2)は、仕組み上、他人の心情に巻き込まれ、自分の心情の制御を、相手に明け渡してしまう傾向が

あります。自分の心情の制御を他人に明け渡すと気力体力の制御も他人に明け渡してしまうため

疲れます。

 

従って「同情的理解を止めると疲れにくくなる」となります。

 

次回(12/11)は、「『変わらない自分への言い訳を直視する勇気』を持つと疲れにくくなる」です。


○相談を受ける技術


   当記事では相談を受ける心構えを記し、その心構えを身に着けることで疲れにくくなることを

  示しました。

   その心構えを身につけるための技術を以下で列挙します。


   1) 単純な受容

     ・相手の話に相槌を打って心から耳を傾け理解しようと努める受け止め方。

     ・相槌のタイミング、頻度、応答する態度などによって、同じ言葉を発していても、

      活きてきたり、うわべを滑ったりしてしまいます。


     2) 内容の再陳述

     ・相手の発言を、そのまま繰り返して言い直す手法です。

     ・この手法のポイントは、繰り返す際の語調に「あなたの言ったことをよく理解しましたよ」

      という感じを出すことです。


   3) 感情の反射

     ・相手の表現した言葉に込められた感情を受け止めて、それを適切な言葉に言い換えて

      表現する手法です。

     ・2)の内容の再陳述では、ほぼ相手の表現通りに言葉を繰り返しますが、

      感情の反射では、むしろ異なる表現方法を用いるのがもっぱらです。

     ・話の内容よりは、そこにこめられた感情を大切にし、抽出します。


   4) 感情の明確化

     ・相手が何とか表現しようと努力しているが、適切な言葉が見つからずいろいろ

      回りくどい話をしている場合に、「あなたの言いたいことはこういうことでは

      ありませんか?」というように、相手の心の底を流れている感情を捉え、

      要約した言葉を相手に渡す手法です。

     ・相手に「貴方の考えはきっとこうだ!」というように強制してはいけません。


   5) 沈黙を待つ

     ・相手が沈黙しているとき、相手が一人で考えていることもあります。

      従って、沈黙にあわてず、相手の考えが展開され、表現すべき言葉が見つかるのを

      じっくり待つ手法も必要になります。

     ・相手が、こちらの反応を待つために沈黙している場合と区別できるようにしましょう。

     ・沈黙している相手の態度や表情から相手の気持ちを察してそれを言語化し、表明するのも

      一つの方法です。

 

以上