言葉が正しく伝わっても内容が間違って伝わることがあることに気付くと疲れにくくなる

こんにちは。平穏堂院長の田上俊和です。

本日の「疲れにくくなる暮らし方」は

「言葉が正しく伝わっても内容が間違って伝わることがあることに気付くと疲れにくくなる」です。

大前提:人は、思い通りにならないとストレスを感じ、ストレスに対抗するため気力体力を消費する。

    その結果、疲れる。

小前提1:人は、「言葉」(※)で自分の意思を他人に伝える。

      (※)ここでいう「言葉」は発声言語だけでなく、仕草や声の調子、表情などの

        非言語的コミュニケーションも含むものとする。

小前提2:人は、「言葉」に自分の知識や経験を上乗せするため、同じ「言葉」でも、

     一人一人、異なるイメージを持つ。


小前提1と2から、人は、「言葉」で自分の意思を伝達しようとしますが、

全く同じ知識・経験を持った人間は存在しないため、伝達したい意志の内容が

共有できるとは限らない、つまり、間違って伝わることがある、となります。

従って、「自分の言葉が正しく伝われば、内容も正しく伝わるはず(伝わらなければならない)」と

思い込んでいても、現実には思い通りにはならないことが導けますから、

大前提から、疲れる、となります。

ここで「言葉が正しく伝わっても、内容が間違って伝わることがある」と知っていれば、

最初から「思い通りになる」ことは無いとわかっていますから、「内容が伝わらない」ことに

ストレスを感じることも少なくなるため、疲れにくくなります。


従って「言葉が正しく伝わっても内容が間違って伝わることがあることに気付くと疲れにくくなる」と

なります。


次回(10/03)は、「『罵る言葉は自己紹介』に気付くと疲れにくくなる」です。


○「内容を正しく伝える」技術の紹介


  1) 必要な認識「話し手の伝えたい内容(経験)と聞き手の理解には、自ずと齟齬が生じる」


    ひとは、言葉を自らの体験に基づいて発しています。

   つまり、『人によって言葉の受け取り方に違いが生じる』ことは自然なことです。

 

    例えば「故郷」という言葉で「どのような情景を浮かべますか?」と聞かれたとき、

   都会でマンションに暮らしていた人ならば高層ビル、団地、マンションなどを思い浮かべ、

   郊外で一軒家に暮らしていた人ならば、緑がたくさんの公園や周囲に広がる田畑などを

   思い浮かべるかもしれません。

    かように「狭い地域の同一言語(ここでは日本語)の同一の言葉(故郷)」についてでも

   その人の経験によって持っているイメージが違うことが分かります。

 

  2) 必要な作業「話し手が本当に伝えたかった内容と聞き手が受け取った内容をすり合わせる」


     では、話し手が伝えたいイメージを聞き手にも持ってもらうにはどうするか。

    それは「相手に質問する」ことです。

     「相手は○○については当然こう考えているだろう」と考えて話を進めるのではなく、

    一つ一つ、「あなたは○○についてどうお考えですか?」と尋ねることです。


     尋ねなかった場合、どうなるでしょうか。

    話し手が「(相手も当然分かっているだろうからここは省略)」しているところを、

    実は聞き手は認識していないかもしれません。

    また、聞き手は話し手の情報を、自分の体験と混ぜて歪曲してしまっているかもしれません。

    さらに聞き手は話し手の情報を、自分の体験から「過度な思い込み」(一般化)を行って

    受け取っているかもしれません。


     そういった伝達ミスを防ぐには話し手が聞き手に質問し、お互いが認識している内容を

    すり合わせることが必要です。


     なお、枝葉末節ではありますが重要な技法として

    「話し手が伝えた言葉を、聞き手に別な言葉で言い換えてもらって確認する」という技法が

    あります。

    内容が話し手と聞き手のお互いで一致していれば、話し手が納得する言い換えが聞き手から

    返されますし、一致していなければ、言い換えた時点で話し手が認識の違いを指摘できます。


以上